(社)情報科学技術協会は、1985年から検索技術者(代行検索者、以下サーチャーと呼ぶ)の持つ、オンライン・データベースの検索技術者に必要とされる知識・技能のレベルを客観的に認定する「データベース検索技術者認定試験」を、1993年度からはその基礎的知識の保有者を客観的に認定する「情報検索基礎能力試験」を実施してきた。しかし、20年近く経過する間にサーチャーを取巻く情報環境は著しく変化し、サーチャーもまた新たな情報専門家としての役割を担うこととなり、情報の収集、検索、利用、発信に関する適切な案内者、助言者、教育者、調整者、すなわち、コンサルタントあるいはコーディネータとしての役割が重要になってきた。
以上のような環境変化に対応し、以前の試験は改訂され、2003年度からは情報の収集、検索、分析、発信のための技能とコンサルティング能力の保有者を認定する新たな試験制度として、「情報検索基礎能力試験」と「情報検索応用能力試験」の2種類の認定試験が実施されている。
「情報検索基礎能力試験」は「情報を効果的に検索し、それを活用するための基礎的知識の保有者を客観的に認定し、その能力に対する社会的認識を高める」ことを目的としている。この試験にはAコースまたはBコースの選択問題があり、Aコースは従来の「情報検索基礎能力試験」と同様に、将来、情報専門家をめざす者を対象とし、上位試験である「情報検索応用能力試験」のための予備コースとして位置づけられている。一方Bコースは教養教育の一環として、情報リテラシー教育を受けた一般の大学生や社会人などが対象となっている。
「情報検索応用能力試験」は、「情報検索およびその結果の評価、加工に関する知識・技能ならびに企画力およびコンサルティング能力を客観的に認定し、その能力に対する社会的認識を高めるとともに、その資質ならびに知識・技能の向上を図る」ことを目的としている。
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