03司法書士試験
1.司法書士試験とは
司法書士試験は、不動産登記・商業登記に関する書類の作成や、簡易裁判所における代理権を有する国家資格「司法書士」となる資格を得るための筆記・口述からなる国家試験です。主管は法務省であり、毎年一回実施されます。合格者は民間企業の法務部門や自身で事務所を開き、不動産登記や会社登記、裁判所手続きなど幅広い業務を担う専門職となります。
2.受験資格
受験資格に関する制限は一切ありません。年齢・性別・学歴・国籍のいずれも問われず、誰でも受験可能です。
3.試験日程(例年のスケジュール)
司法書士試験は年1回の実施です。
| 申込期間 | 5月前半 |
| 筆記試験 | 5月前半 |
| 筆記試験合格発表 | 10月初旬 |
| 口述試験 | 10月中旬 |
| 合格発表 | 11月初旬 |
4.試験地
筆記試験(2025年)
全国15地域(各法務局管轄区域)
札幌・仙台・さいたま・千葉・東京・横浜・静岡・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・高松・福岡・那覇
口述試験
札幌・仙台・東京(筆記受験が首都圏の場合)・名古屋・大阪(関西の場合)・広島・高松・福岡
5.受験手数料
8,000円
6.試験内容(詳細)
A. 筆記試験(多肢択一+記述)
午前の部(マーク式)
出題数:約35問(各法令科目)
試験時間:9:30–11:30
試験科目:憲法、民法、商法・会社法、不動産登記法、商業登記法、供託法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、司法書士法
午後の部
マーク式(午後前半)
出題数:約35問、科目は午前と一部重複
記述式(午後後半)
出題数:約2問
内容:不動産登記申請書、商業登記申請書(設立・役員変更等)の作成、条文書き起こし、権利関係図、民法事案分析など
※配点構成は、マーク105点+記述140点=計245点満点(旧配点)
令和7年度より配点配分の変更が告知されていますが、詳細は公式案内で確認してください。
B. 口述試験
試験時間:約15分
出題科目:不動産登記法、商業登記法、司法書士法
形式:面接形式。面接官(通常3名)が基本知識レベルの口述問題を提示・質疑
目的:基礎理解・説明力・誠実性・受験者態度などを評価
7.合格後の流れと研修
新人研修:各都道府県の司法書士会主催
内容:法令順守、倫理、実務手続(登記・裁判手続)など
受講義務:合格後、各地域会に登録する前に所定の研修を修了する必要あり
司法書士会への登録:研修修了+登録申請後、正式に業務が可能になります。
8.資格取得のメリット
独立開業が可能:自宅や事務所で登記・裁判業務を担当できる。
実務ニーズが安定:不動産取引や会社設立、個人・法人の法務手続きで需要が高い。
信用力の向上:国家資格により顧客や取引先からの信頼が高い。
業務範囲が広い:書類作成だけでなく、簡易裁判所での代理権も取得できる。
収入の安定性と将来性:業務領域が法律改正や経済状況でも変わりにくい。
9.まとめ
司法書士試験は、受験制限がなく誰でも挑戦できる一方で、筆記(マーク+記述)と口述の二段階で構成される難関の国家試験です。
実務的な書類作成能力と法知識の正確な運用力を問う内容で、合格率は筆記+口述を通じて数%と低いですが、合格後は独立や企業内法務など柔軟で安定したキャリアパスが開けます。
10.ホームページ
法務省

