13法学検定試験
1.法学検定試験とは
法学検定試験は、法学に関する知識と理解を体系的に評価することを目的とした全国規模の検定試験です。公益財団法人日弁連法務研究財団および公益社団法人商事法務研究会が設置した「法学検定試験委員会」によって実施されます。
この試験は、法学部の学習進度に応じた3つのレベル(ベーシック・スタンダード・アドバンスト)に分かれており、学生や社会人を対象に、法的思考力・条文理解・判例知識の確認を目的としています。法科大学院入試や企業の採用試験にも活用されるなど、法学の「実力証明」としての評価が定着しています。
2.受験資格
受験資格は特に設けられておらず、誰でも受験可能です。年齢、学歴、職歴等の制限はなく、法学部の学生、他学部の学生、社会人など多様な受験者がいます。また、障がい等により配慮が必要な場合には、事前に申請することで特別措置が講じられます。
3.試験日程(例年のスケジュール)
試験は年に1回、例年11月の最終日曜日に実施されます。
申込期間は9月中旬から10月中旬までで、試験の約6週間前に締め切られます。
合格発表は翌年1月上旬に行われ、成績通知とともに発送されます。
4.試験地
全国主要都市にて実施されます。具体的には以下の通りです(年度によって若干の変更あり):
札幌
仙台
東京(会場2か所)
名古屋
京都
大阪
岡山
松山
福岡
沖縄
団体受験制度を利用することで、上記以外の会場での受験が可能となる場合もあります。
5.受験料(税込)
ベーシック〈基礎〉コース:4,400円
スタンダード〈中級〉コース:6,600円
アドバンスト〈上級〉コース:9,900円
ベーシック・スタンダードセット:8,800円
スタンダード・アドバンストセット:13,200円
6.試験内容(詳細)
【コース別構成】
| コース名 | 想定レベル | 出題科目例 | 問題数 | 試験時間 |
|---|---|---|---|---|
| ベーシック | 法学部1~2年生 | 法学入門、憲法、民法、刑法 | 60問 | 120分 |
| スタンダード | 法学部2~3年生 | 法学一般、憲法、民法、刑法+選択科目 | 75問 | 150分 |
| アドバンスト | 法学部3年~卒業相当 | 憲法、民法、刑法、選択科目(2科目)+法学基礎論 | 55問 | 150分 |
いずれもマークシート形式で、多肢選択式問題によって出題されます。法令や判例は試験実施年度の10月1日現在で最新のものが対象です。
7.合格後の流れと研修
法学検定試験自体は資格取得後に義務付けられる研修等はありません。合格者には成績通知書と合格証が送付され、成績上位者には「Excellent合格」として表彰される制度があります。これにはデジタルバッジ(Open Badge)が付与され、履歴書やSNSなどでの活用も可能です。
8.資格取得のメリット
法学力の客観的証明:大学・企業・法科大学院での評価に利用可能。
就職活動でのアピール:法務職や法律関連業務への意欲と知識を示せる。
学習成果の確認:学部での学習の習熟度を測る指標として有効。
Excellent合格制度:成績優秀者には称号が与えられ、自己PRに有効。
9.まとめ
法学検定試験は、法学に対する知識と論理力を総合的に測定できる、全国的に認知された試験制度です。法曹を目指す学生はもちろん、法務に関わる社会人にとっても、実力を証明する格好の機会となります。年1回の実施で受験しやすく、将来的なキャリアアップを目指す方におすすめの資格です。
10.ホームページ
公益社団法人 商事法務研究会

