資格の王様

28メンタルヘルス・マネジメント®検定試験

1.メンタルヘルス・マネジメント®検定試験とは

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験は、大阪商工会議所が主催する、「働く人たちの心の健康と活力ある職場づくり」を目的として行われる検定です。公的な国家資格ではなく、職場におけるメンタルヘルスケアの実践力を評価する民間資格となっています

受験者は、一般社員(セルフケア/Ⅲ種)、管理職(ラインケア/Ⅱ種)、企業の人事・幹部層(マスター/Ⅰ種)という、目的と役割に応じた3コースを選択できます。

試験内容は、第一次予防(未然防止)を重視した構成になっており、産業保健だけでなく人事労務管理の視点も盛り込まれています。

2.受験資格

3コースに共通して、学歴・年齢・職業・国籍などの制限は一切なく、誰でも受験可能です。

また、異なる種の同日受験にも対応しています。Ⅰ+Ⅱ、もしくはⅡ+Ⅲを同時に受験することも可能ですが、春季試験はⅡ・Ⅲのみです。

3.試験日程

年2回の公開試験が実施されます。

11月上旬の日曜日

実施コース:Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種

3月中旬の日曜日

実施コース:Ⅱ種・Ⅲ種

4.試験地

公開試験は、全国15都市で一斉実施されます

札幌/仙台/さいたま/千葉/東京/横浜/新潟/浜松/名古屋/京都/大阪/神戸/広島/高松/福岡。

申し込み時に受験地を選択します。

5.受験料(税込)

Ⅱ種:7,480円

Ⅲ種:5,280円

6.試験内容(詳細)

試験は選択式(マークシート)と、Ⅰ種のみ論述式があり、コースに応じた出題構成です。

コース試験形式試験時間配点・合格基準
Ⅰ種(マスター)選択式+論述選択120分/論述60分選択100点+論述50点。合計105点以上かつ論述25点以上
Ⅱ種(ラインケア)選択式のみ120分100点中70点以上
Ⅲ種(セルフケア)選択式のみ120分100点中70点以上

出題内容の例

Ⅲ種(セルフケア):

メンタルヘルスの意義、ストレスの認知・対処法、自助リソース活用など。

Ⅱ種(ラインケア):

管理監督者としての役割、職場環境評価・改善、相談対応・復職支援など

Ⅰ種(マスター):

企業戦略に基づく制度構築、産業保健・専門機関連携、教育研修、計画立案、論述力など 。

全コース共通で、試験内容は、厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」および公式テキストに準拠しています。

7.合格後の流れと研修

試験合格後には、合格証明書が発送されます:Ⅱ・Ⅲ種は試験の翌月中旬、Ⅰ種はさらに翌月中旬に発送です。

I種(マスターコース)合格者を対象に、最新情報の収集や相互交流などを通じてスキルアップを図ることができる「I種合格者フォーラム」が設置されています。

8.資格取得のメリット

役職・職責に応じたスキル証明:セルフケア(Ⅲ種)→ ラインケア(Ⅱ種)→ マスター(Ⅰ種)とステップアップが可能

安全配慮義務への対応力:管理職・人事視点で部下や組織への法的配慮ができる。

職場活性化への貢献:ストレス要因の把握・環境改善により、組織力が向上。

キャリア形成に効果:管理職・人事職へのアピール材料になり、講師やコンサルとしての可能性も拡大。

法令対応・産業保健連携:制度構築・社内体制整備に通じた実践知識が得られる。

学習と実務の親和性:ケース式や論述式等で実践力が養われる構成です

Ⅰ種の合格率はおおむね20%前後、Ⅱ・Ⅲ種は取得しやすいため、実務での導入も進んでいます。

9.まとめ

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験は、職位・職責に応じてセルフケアから組織制度設計まで広範に対応できるよう構成された検定です。人事・産業保健・管理職がそれぞれの役割を果たすうえで必要な知識とスキルを習得できる形となっており、第一次予防の観点を重視した出題になっています。

試験は年2回、全国15都市で開催

受験料はⅠ:11,550円/Ⅱ:7,480円/Ⅲ:5,280円(税込)

厚労省指針および公式テキスト(第5版)に準拠、法令・統計知識も問われます。

働き方改革やストレスチェック制度などが進展する中、職場のこころの健康を守る体制と実践力は急務です。本検定の取得は、組織と個人双方にとって価値ある第一歩となるでしょう。

10.ホームページ

一般財団法人 全日本情報学習振興協会

https://www.work.or.jp/life-coordinator/