資格の王様

38パソコン技能検定(Ⅱ種・エクセル・インストラクター)

1.パソコン技能検定とは

パソコン技能検定は、一般財団法人全日本情報学習振興協会が主催する、実務に直結するパソコンスキルを評価する資格試験です。WordやExcelを中心に、文書作成・表計算・データ処理・グラフ作成といった日常業務で頻出する操作力を段階的に測定できる構成になっています。

試験体系は大きく3種類に分かれます。

Ⅱ種試験:WordとExcelを組み合わせて総合的な操作力を判定

エクセル試験:Excel操作に特化し、関数・マクロ・グラフ作成などを測定

インストラクター認定試験:Ⅱ種試験の上位に位置づけられ、技能を「教える力」を認定する指導者向け試験

初心者から上級者、さらには教育指導者まで、それぞれの段階に応じて受験できる体系となっています。

2.受験資格

Ⅱ種試験・エクセル試験:年齢・学歴・職歴に制限はなく、誰でも受験できます。

インストラクター認定試験:Ⅱ種試験の2級以上に合格していることが必須条件です。さらに、協会認定校などでの指導経験や教育実務に関わるスキルを持つことが求められます。受験資格の証明書(協会指定の指導経歴証明書及び、パソコン技能検定Ⅱ種試験(文書・表計算試験)2級以上、MOS・一般以上、旧P検2級以上の取得の証明ができる書類等)が必要になります。

3.試験日程(例年のスケジュール)

すべての試験は例年、偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)の年6回実施されます。毎回上旬を中心に全国の協会認定会場で行われ、受験者は学習の区切りごとに受験機会を得やすい設計となっています。

4.試験地

全国にある協会認定会場(パソコン教室など)で実施されます。都市部だけでなく地方にも会場が整備されており、幅広い地域で受験できます。

5.受験料(税込)

Ⅱ種試験

1級:9,900円

2級:8,800円

3級:7,700円

4級:6,600円

5級:5,500円

6級:4,400円

エクセル試験

1級:8,800円

2級:7,700円

3級:6,600円

4級:5,500円

インストラクター認定試験

13,200円

6.試験内容(詳細)

(1)Ⅱ種試験

WordとExcelの統合操作力を問います。

1級:図表や画像を組み込んだ複雑な文書作成、ピボットテーブルを用いたデータ分析、散布図など高度なグラフ作成

2級:条件付き平均や積み上げグラフなど応用的な業務操作

3級:表作成や縦横計算、平均、基本的な棒グラフ・折れ線グラフの作成

4級:簡単な図表を含んだ文書作成、表計算機能を利用した縦横合計と平均などの簡単なデータ集計

5〜6級:図や表を含まない文書、案内文や紹介文など一般的な文書。表計算・グラフはありません。

実務で必要な操作を総合的に判定するため、学生から社会人まで幅広い層に適しています。

(2)エクセル試験

Excel単体での操作技能を判定します。

1級:ピボットテーブル、マクロ(VBA)、複雑なグラフなど上級機能を活用

2級:条件付き関数や、やや高度な集計・分析処理

3級:SUM・AVERAGEなどのやや高度なデータ処理

4級:セル入力や簡単な四則演算などの初歩的操作

Excel業務の効率化を図るための実用的スキルを証明する試験です。

(3)インストラクター認定試験

Ⅱ種試験で身につけたスキルを「教える力」に昇華できるかについて評価します。

実技:Word・Excelの応用操作を理解し、相手にわかりやすく指導できるかを評価

指導力:模擬授業や説明を通じて、初心者に正しく教えられるかを判定

総合評価:技能と教育力を併せ持つ人材かどうかを総合的に判断

7.合格後の流れと研修

Ⅱ種試験・エクセル試験:合格すると合格証書と合格カードが交付されます。カードは名刺サイズで携帯しやすく、履歴書や職務経歴書でスキルを証明する材料となります。

インストラクター試験:合格すると「パソコンインストラクター」として認定され、教育機関やパソコン教室などで指導者として活動できます。

また、Ⅱ種の上位合格者は、インストラクター試験に挑戦できるステップアップ資格として位置づけられています。

8.資格取得のメリット

Ⅱ種試験:WordとExcelを組み合わせた総合力が証明できるため、事務職や営業職などで即戦力になります。

エクセル試験:Excelの高度利用スキルが証明され、業務効率化やデータ分析業務での信頼性が高まります。

インストラクター認定試験:単なる操作力だけでなく、教育力を備えた専門人材として評価され、研修や教育事業での活躍が期待されます。

9.まとめ

パソコン技能検定は、実務に直結する操作力を証明する「Ⅱ種試験」、Excelの専門性を磨く「エクセル試験」、そして教える力を認定する「インストラクター認定試験」の3つで構成されています。

いずれも受験資格に大きな制限はなく、年6回実施され、全国の会場で受験可能です。Ⅱ種やエクセルは初心者から上級者まで段階的に学習成果を試せる試験であり、インストラクターは教育力を加味した上位資格です。

合格すると証書やカードが交付され、スキルを対外的に示すことができます。実務力だけでなく教育力までを体系的に証明できるため、キャリアアップや就職活動において非常に有効な資格体系です。

10.ホームページ

一般財団法人 全日本情報学習振興協会

https://www.joho-gakushu.or.jp/pc/