資格の王様

43文書情報管理士検定試験

1.文書情報管理士検定試験とは

文書情報管理士検定試験は、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が実施する資格試験で、文書管理のエキスパートを認定するものです。企業や自治体で進む書類の電子化や個人情報保護など、現代のワークスタイル変革に不可欠な「文書管理」の重要性を踏まえた実務対応力を証明する資格です。

試験は2級・1級・上級の3段階で構成され、実務の基礎から応用・提案・システム構築に至るまでの能力を段階的に評価します

2.受験資格

2級:学歴・職歴・年齢を問いません。誰でも受験可能です

1級:2級の文書情報管理士資格を保有していることが必要です

上級:1級資格を保有していることが受験条件です。

なお、同一試験期間内では複数級の受験ができず、再受験や上位級への同時受験も不可です。また、有効な資格を持つ場合は下位級の受験も不可となります。

3.試験日程(例年のスケジュール)

文書情報管理士検定試験は年2回(夏と冬)CBT方式で実施されます。

【夏試験】

試験期間はおおむね7月中旬~8月下旬です

【冬試験】

試験期間は12月下旬~2月上旬です

詳細な試験日についてはJIIMA公式サイトで最新案内をご確認ください。

4.試験地

試験方式はCBT方式で全国のテストセンターでの受験です。

具体的な会場数や地域は公式要綱などで案内されます。

5.受験料(税込)

各級とも11,000円

学生受験料:7,150円

6.試験内容(詳細)

試験方式・問題形式

形式:CBT方式でのコンピュータ試験

問題数:80問

試験時間:90分

問題形式:

2級:択一選択式

1級・上級:一部は多肢選択式(複数選択肢から当てはまる項目を複数選ぶ形式)が含まれます。

各級ごとの出題項目

2級:文書の基礎知識と実技

ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークにかかわる基礎知識

日本特有の法令・標準規格に関する基礎知識

1級:2級内容に加え、実技応用力や専門知識

作業者への指導力。

自動化やリスクマネジメント、セキュリティに関する知識

上級:1級の能力に加え、課題分析能力、システム構築力

保存性や原本性などの専門知識と提案能力

コスト意識、文書情報システム構築・運用・監査に関する知識

合格発表と認定証書

試験当日に会場で合否が通知されます。

認定証書(文書情報管理士番号、有効期限5年)は、試験期間終了から約1か月後にメール案内があり、PDFで授与されます

7.合格後の流れと研修(更新)

認定後

合格後に認定証書が授与され、文書情報管理士番号が交付され、有効期限は5年です。

更新

資格の更新は5年ごとに必要で、更新案内は有効期限の約4か月前に郵送されます。資格の更新は、更新料(3,190円)を振込み、課題に対する回答を提出することで完了します。

8.資格取得のメリット

書類の電子化や情報管理の専門知識を有することを証明でき、企業や自治体の文書管理に関する業務で優位性が高まります。

多くの官公庁・自治体では、入札要件として「文書情報管理士」資格保有者の在籍が求められており、取得することで新たなビジネスチャンスが広がります。

電子保存に関する法制度や実務スキルを身につけることで、業務効率化やリスク管理体制の構築にも役立ちます。

9.まとめ

文書情報管理士検定試験は、文書管理に関する専門知識と実務能力を体系的に身につけ、客観的に証明できる資格です。試験は2級から始まり、1級、上級へと段階的にレベルアップする仕組みになっており、基礎的な文書管理の知識からシステム構築や課題解決能力まで幅広く問われます。試験は年2回、夏と冬に全国のCBT会場で実施され、受験の利便性も高いといえます。

合格者には認定証書と資格番号が与えられ、有効期限は5年間です。更新制度も設けられており、資格を継続することで最新の文書管理に関する知識やスキルを維持することができます。さらに、受験前にはオンデマンド形式の対策セミナーが用意されており、効率的に学習できる体制が整っています。

資格取得のメリットとしては、文書管理や電子化に関する専門性を証明できる点が大きく、企業や自治体における文書管理の実務で役立つことはもちろん、入札要件として有資格者の在籍が求められるケースもあるため、組織としての競争力を高める効果もあります。情報管理の信頼性向上や業務効率化を推進する上で有効に活用できる資格といえるでしょう。

このように、文書情報管理士検定試験は、個人のスキルアップのみならず、組織の信頼性確保や効率的な情報管理体制の構築にも寄与する重要な資格です。文書や情報をめぐる環境が急速に変化する現代社会において、その価値はますます高まっていくと考えられます。

10.ホームページ

日本文書情報マネジメント協会

https://www.jiima.or.jp/qualification/docinfo_sv/about_exam/