資格の王様

44漢字能力検定(漢検)

1.漢字能力検定とは

日本漢字能力検定(通称:漢検)は、公益財団法人日本漢字能力検定協会が主催する、漢字に関する知識と運用能力を測る民間検定試験です。文部科学省の後援を受けており、小学生から高齢者まで幅広い年齢層に受験されています。

漢検は、漢字の読み書きを中心に、語彙力、文法的理解、部首、熟語の構成、誤字訂正、書き順など、多様な観点から総合的な漢字力を評価します。学校教育における学習の定着度の確認、進学・就職活動での自己PR、また生涯学習や脳トレとしても活用されています。


2.受験資格

漢検には、受験資格に一切制限はなく、年齢・学歴・国籍を問わず、どなたでも自由に受験できます。

漢字の学習を始めた小学生から、大学生・社会人・高齢者まで、幅広い層が自分の目標やレベルに応じた級を選んで受験しています。

学校団体受験や、企業・自治体・学習塾での団体受験も盛んに行われており、教育の定着確認やスキル証明に活用されています。


3.試験日程

漢検は、年間3回の公開試験が実施されます(6月・10月・2月)。これに加えて、学校や企業が実施する団体受験(準会場受験)では、年間を通じて柔軟に受験可能です。

試験区分実施時期申込期間結果発表
第1回6月中旬(日曜日)4月上旬~5月中旬7月中旬
第2回10月下旬(日曜日)8月下旬~9月中旬11月下旬
第3回2月中旬(日曜日)12月上旬~1月中旬3月中旬

※団体受験では、実施希望日を指定することができます。


4.試験地

公開会場受験は、全国47都道府県に設置され、都市部を中心に多数の会場が用意されています。1級・準1級は、公開会場のみで実施されます。

また、学校・企業などの団体受験(準会場)では、独自の日程・会場での実施も可能で、受験者の利便性が非常に高くなっています。


5.受験料(税込)

1級6,000円
準1級5,500円
2級4,500円
準2級3,500円
3級3,500円
4級3,500円
5級3,000円
6級3,000円
7級3,000円
8級2,500円
9級2,500円
10級2,500円

6.試験内容(級別の詳細)

漢検は、受験者の漢字力に応じて1級から10級までの12段階に分かれています。各級の目安と出題内容を以下に詳細に示します。


【1級】

  • 対象レベル:大学・一般上級者向け。漢和辞典レベル。
  • 内容:約6000字の漢字知識を問う。読み書き、語彙、熟字訓、当て字、故事成語、書き取り、部首、四字熟語、旧字体、異体字など。
  • 特徴:難読漢字、古語的用法、国字(和製漢字)などの理解が求められ、「読む力」と「書く力」の両面で最難関級。

  • 【準1級】

  • 対象レベル:一般上級者、大学生・社会人向け。
  • 内容:約3000字。四字熟語、故事成語、難読語、類義語・対義語、旧字体、書き取り。
  • 特徴:1級に比べると範囲は狭まるが、新聞・書籍などでの難解語の正確な運用能力が問われる。

  • 【2級】

  • 対象レベル:高校卒業・一般教養レベル。
  • 内容:常用漢字2136字すべてが出題対象。読み書き・熟語構成・部首・送り仮名・対義語類義語・同音異義語・誤字訂正・四字熟語など。
  • 特徴:ビジネスや進学試験での評価対象となる実用レベルの基準級。

  • 【準2級】

  • 対象レベル:高校在学レベル。
  • 内容:常用漢字1951字。語彙力・読み書き・熟語構成・部首・送り仮名。
  • 特徴:漢字学習を進めている中高生や一般社会人の基礎力判定に適する。

  • 【3級】

  • 対象レベル:中学校卒業レベル。
  • 内容:1623字。読み書き・対義語類義語・同音異義語・熟語の意味・部首・送り仮名。
  • 特徴:中学生の定着確認や、高校入試前の実力チェックに適しており、最も受験者数の多い級。

    【4級】

  • 対象レベル:中学在学程度。
  • 内容:1339字。語彙の意味や使い方、対義語・類義語、部首、送り仮名など。
  • 特徴:中学校1〜2年生の学習進度に合った構成。

    【5級】

  • 対象レベル:小学校6年生修了程度。
  • 内容:小学校学習漢字1026字。読み書き、送り仮名、筆順、部首など。
  • 特徴:小学生・中学受験生に多く支持される級。

  • 【6~10級】

  • 6級(小5修了)、7級(小4修了)、8級(小3修了)、9級(小2修了)、10級(小1修了)
  • 内容:それぞれの学年で学ぶ漢字を中心に、読み書き、書き順、部首などを出題。
  • 特徴:低学年の子どもでも受けやすい構成で、「漢字学習の達成度確認」に最適なステップアップ型構成。

  • 7.合格基準

    1級から7級までは200点満点、8級から10級は150点満点で、3級から7級までは70%、その他の級は80%が合格ラインです。


    8.合格のメリットと活用方法

  • 学習の成果の客観的証明
  • 小中高の内申や通知表の裏付け資料に活用

  • 入試・就職での自己PR材料に
  • 高校・大学の推薦入試、企業へのアピール

  • 社会人の語彙・文書能力の向上
  • 文章作成力、正確な漢字表記の習得に役立つ

  • 教員採用・公務員試験でも活用
  • 一部自治体で評価対象となる実績あり

  • 生涯学習・脳トレにも有効
  • 高齢者の認知症予防・教養維持の目的で受験する方も増加


    9.まとめ

    漢字能力検定は、単なる読み書きのテストにとどまらず、日本語全体の語彙力・表現力・文書力を高める教育的価値の高い検定です。各級の難易度が明確に設定されており、目標を持って段階的に学べる設計となっています。

    実用性、教育的意義、生涯学習的な側面を併せ持つこの検定は、すべての日本語学習者にとって最適なスキル評価ツールであり、今後も学力評価・教養深化の場面で幅広く活用されることが期待されます。

    10.ホームページ

    公益財団法人 日本漢字能力検定協会

    https://www.kanken.or.jp/