51通関士試験
1.通関士試験とは
通関士試験は、日本の輸出入手続において、通関士として必要な知識・技能を備えているかを判断する国家試験です。主催は財務省(関税局)ですが、実施や案内は各税関が担っています。合格すると、通関業者に就職し、更に財務大臣による通関士としての確認を受けることで、「通関士」として正式に業務に従事することができます。
2.受験資格
学歴・年齢・職歴・国籍などに一切の制限はありませんので、誰でも受験が可能です。社会人はもちろん、学生や主婦など、広い層に開かれた試験です。
3.試験日程(例年のスケジュール)
通関士試験は年1回、例年10月の上旬の日曜日に実施されます。合格発表は、11月上旬です。
4.試験地
試験は全国13地域の税関を会場として実施されます。2025年度(第59回)は以下の地域が予定されています:北海道(函館)、宮城、新潟、東京、神奈川、静岡、愛知、大阪、兵庫、広島、福岡、熊本、沖縄
5.受験手数料
2,900円(輸出入・港湾関連情報処理システムで納付の場合)
収入印紙3,000円(願書を郵送の場合)
6.試験内容(詳細)
(1)試験構成と目的
試験は1日で3科目を受験する形式で構成され、通関業務に関する法律知識と通関手続きの実務能力をバランス良く評価します。
(2)科目
第1科目:通関業法
第2科目:関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法第6章に係る部分に限る。)
第3科目:通関書類の作成要領その他通関手続の実務
(3)問題形式・配点構成
すべて筆記・マークシート方式で実施。択一式や複数選択式に加え、数値計算結果をマークする計算式問題も含まれます。
【配点例】
| 科目 | 選択式(択一) | 計算式 |
|---|---|---|
| 通関業法 | 35点(10問) | 10点(10問) |
| 関税法等 | 45点(15問) | 15点(15問) |
| 通関実務 | 書類作成:20点(2問)/手続:10点(5問)/計算:5点(5問)/選択:10点(5問) | |
7.合格後の流れと研修
合格後は以下のステップを踏み、「通関士」として認められます:
通関士試験の合格
通関業者に就職し業務に従事
財務大臣による確認を受けて正式に通関士と認定される
なお、研修制度や資格更新制度は存在せず、一度取得すれば有効期限はありません。
8.資格取得のメリット
法律上唯一の国家資格として、輸出入手続きにおける公式な立場を得ることができる。通関士は輸入申告などに必須の存在であり、貿易業界で強く評価されます。
物流・貿易関連企業における専門性の証明として、社内手当や評価向上にもつながります。現役税関職員などの受験も多いです。
輸出入件数の増加に伴い、今後も通関士の社会的ニーズは高まる一方です。
9.まとめ
通関士試験は、誰でも受験できる国家試験として、通関に関わる高度な法律知識と実務スキルをバランスよく評価します。年1回・10月上旬に全国13地域で実施され、マークシート方式による3科目試験を1日で完結。合格には各科目の60%以上を目安とし、5年以上の実務経験による免除制度もあります。
合格後には、通関業者による雇用と財務大臣による確認を経て、正式に通関士として活動できます。資格保持は、貿易企業や物流分野での信頼性向上やキャリアアップにつながり、今後も需要が高まる専門職資格です。
10.ホームページ
税関

