資格の王様

58薬剤師国家試験

1.薬剤師国家試験とは(試験概要)

薬剤師国家試験は、厚生労働省が定める国家資格「薬剤師」を取得するための必須試験です。薬剤師として医薬品の調剤・情報提供・服薬指導を法的に行うために必要な専門知識・倫理・実践能力を評価する試験で、薬剤師教育課程(6年制)修了者等が受験できます

2.受験資格

受験資格は主に以下の通りです:

6年制薬学課程を修了または修了見込みの者

4年制課程+修士・博士課程修了者で個別審査認定を受けた者

外国の薬学校を修了し、厚労省により同等と認定された者

3.試験日程(例年のスケジュール)

最新(第110回=2025年実施)は 2025年2月22日(土)・23日(日) の2日間で実施されました。

試験の合格発表は 2025年3月25日(火)午後2時 に厚労省のサイトで行われ、受験地と受験番号で掲載され、合格者には 合格証書が郵送されます。

4.試験地

第110回では、全国 9都道府県(北海道・宮城・東京・石川・愛知・大阪・広島・徳島・福岡) にて実施されました。

各地で複数の大学や会議施設が会場となり、東京では複数キャンパスが使用されています(例:立教大学、東京工科大学、実践女子大学)

5.受験手数料

6,800円

6.試験内容(詳細)

▸ 出題形式と総構成

2日間・合計約345問 出題、すべてマークシート方式(五者択一、多肢選択、複合選択など)

試験は以下の区分で構成されています:

必須問題(90問):基本的資質や基礎知識。各科目に配点あり

一般問題(255問):薬学理論問題+薬学実践問題。理論は単科目、実践は「実務」と他科目を組み合わせた複合問題形式

▸ 科目別配分と時間割

1日目

午前 ① 必須問題(90分/90問)

午後 ② 薬学理論問題(150分/理論科目)

更に午後 ③ 薬学理論問題(115分/薬理・薬剤・病態・薬物治療等)

2日目

午前 ④ 薬学実践問題(125分/理科科目+実務複合)

午後 ⑤ 実務+理科科目の実践問題(100分)

午後末 ⑥ 複合実践問題(150分)。

▸ 出題科目詳細

科目:物理・化学・生物、衛生、公衆衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務(調剤・服薬指導・薬歴など)

配問数(例:第109回以降):必須90問、薬学理論105問、薬学実践150問、計345問

▸ 合格基準

①総得点ボーダー(相対評価)をクリア

② 必須問題70%以上かつ各科目30%以上の得点

③ 禁忌肢(不正解選択肢)を2問以下

これらの全条件を満たす必要があります。

7.合格後の流れと研修

合格後には厚生労働省から薬剤師免許が交付されます。

免許取得後、薬局・病院・調剤薬局・行政・製薬企業など、多岐にわたる職場に就職可能です。

特段の義務的研修制度はありませんが、勤務先や就業領域に応じた継続教育・資格研修が多数提供されています。

8.資格取得のメリット

法的に薬剤師として調剤薬局・病院等で調剤・服薬指導を行える唯一の資格です。

受験者数は毎年1万3千名前後、合格率は約70%前後で、一定の難易度を示しつつ高い専門性を証明できます。

医療・福祉・研究・教育・行政など幅広いキャリアパスに直結します。

9.まとめ

薬剤師国家試験は、薬剤師として必要な専門知識・倫理・実務能力を幅広く評価する国家試験です。6年制薬学課程修了などが受験資格で、例年2月末に2日間にわたり試験が開催され、全国9都道府県で実施されています。試験内容は必須問題と一般問題(理論・実践)に分かれ、配点総数345問、約12時間の長丁場となります。合格には相対評価による総得点基準、必須問題70%以上、禁忌肢制限など複数の条件が課せられます。合格後は薬剤師免許が交付され、医療現場をはじめ多方面で専門職として活躍できます。

10.ホームページ

厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/yakuzaishi/