61歯科技工士国家試験
1.歯科技工士国家試験とは(試験概要)
歯科技工士国家試験は、歯科技工士法に基づき、厚生労働省指定の試験機関である一般財団法人歯科医療振興財団が毎年実施する国家資格試験です。合格者は歯科技工士としての免許を厚生労働大臣より交付され、歯科医療の補助的立場から技術職として医療現場で活躍することが法的に認められます
2.受験資格
以下いずれかの条件を満たす者が受験できます:
文部科学大臣指定の歯科技工士学校を卒業、または令和7年3月14日までに卒業見込みの者
都道府県知事指定の養成所を卒業、または卒業見込みの者
歯科医師国家試験またはその予備試験を受験できる者
外国の歯科技工士学校等を修了し、厚労大臣により国内同等と認められた者
3.試験日程(例年のスケジュール)
第10回(令和6年度=2025年実施)の試験は、令和7年2月16日(日)に実施されました
願書配布は令和6年9月下旬、受験書類受付は12月2日〜6日、受験票は令和7年1月24日(金)交付とされています
合格発表は令和7年3月26日(水)午後2時、厚生労働省と財団のホームページで公開されます
4.試験地
試験は全国5都道府県(北海道・宮城県・東京都・大阪府・福岡県)で実施されます。会場は大学の施設や専門学校等が用いられます。東京都や北海道などでは複数会場が設けられることもあります
5.受験手数料
30,000円
6.試験内容(詳細)
歯科技工士国家試験は、大きく分けて「学説試験(学科)」と「実地試験(実技)」の二部構成です。
学説試験(学科試験)
全科目必修/80問/1問1点/合計80点満点
出題科目(8科目):
歯科理工学/歯の解剖学/顎口腔機能学/有床義歯技工学/歯冠修復技工学/矯正歯科技工学/小児歯科技工学/関係法規
合格基準:
48点以上(60%以上)
基礎科目群と専門科目群それぞれで30%以上得点することが条件(足切りあり)
実地試験(実技試験)
3課題/各30点/合計90点満点
制限時間:約2時間(課題ごとの割り振りは自由)
課題内容:
デッサン(石膏模型描写)
ワイヤー屈曲(クラウンブリッジフレーム等のワイヤー加工)
歯型彫刻(指定された歯の石膏雕刻)。
7.合格後の流れと研修
合格発表後、財団および厚労省サイトに受験地別の受験番号が掲示されます。後日、合格通知書が発送され、免許申請手続きの案内が届きます
免許申請には、登録免許税や手数料の納付が必要ですが、その後歯科技工士名簿へ登録されることで正式に「歯科技工士免許証」が交付され、資格が有効となります
免許の更新義務はなく、一度取得すれば生涯有効です。ただし、2年ごとに業務従事状況の届出が義務付けられています
8.資格取得のメリット
法的に歯科技工物の製作・提供が可能となる国家資格で、高度な専門職としての信頼性が得られます。
合格率は毎年90%以上(例:令和5年度は95.7%)と非常に高く、養成校の課程を確実に修了することで高い合格可能性があります
歯科医院、歯科技工所、研究機関、教育機関など、活躍の場が多岐にわたっており、独立開業の道も開けています。
9.まとめ
歯科技工士国家試験は理論と技術を両方評価する国家資格試験であり、専門養成機関修了後に年1回実施されます。試験日は毎年2月中旬の日曜日、全
国5都道府県で開催され、学説試験と実技試験の両方をクリアする必要があります。
学説試験:80問(8科目)、60%以上の得点かつ科目別足切りあり
実地試験:3課題(デッサン・ワイヤー屈曲・歯型彫刻)、60%以上の得点
合格率は90%台で、免許取得後は義務的な更新制度はなく、登録後は正式な資格として職業活動が可能です。
10.ホームページ
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/shikagikoushi/index.html

