資格の王様

62看護師国家試験

1.看護師国家試験とは(試験概要)

看護師国家試験は、厚生労働省が定める国家資格「看護師」を取得するための必須試験です。文部科学大臣指定の看護師養成課程(大学・短大・専門学校)を修了または修了見込みの者が受験でき、合格後に厚生労働大臣より看護師免許が交付されます。看護師は医療チームの中心的存在として、診療補助・患者ケア・健康支援など多岐にわたる業務を法的に遂行できる専門職です。

2.受験資格

受験資格は以下のいずれかに該当する者です:

文部科学大臣指定の看護師養成過程(3〜4年)を修了または修了見込みの者。

日本国内外の看護師教育制度で厚労省により同等と認定された者も受験が可能です。

※年齢や性別に制限はありません。

3.試験日程(例年のスケジュール)

第114回(2025年実施)は2025年2月16日(日) に実施されました。願書受付は 2024年11月8日~11月29日、受験票は 2025年1月中旬頃発送されています

第115回(2026年実施)も同様に、2026年2月中旬の日曜日に行われる予定です

合格発表は例年 3月下旬(2025年は3月24日(月)午後2時) に厚労省のWebサイト上で受験地と番号により行われます

4.試験地

第114回では試験地が 全国12都道府県 に設定され、会場は大学・専門学校・会議場など 約43会場 で実施されました。

主な都道府県は以下のとおりです

北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県

受験票に記載される指定会場を事前に確認することが重要です。

5.受験手数料

5,400円

6.試験内容(詳細)

▸ 全体構成・出題形式

240問(午前120分+午後120分) が出題され、マークシート方式(五肢択一)で解答します

問題構成は以下の通りです:

必修問題:50問/全240問中

一般問題:130問

状況設定(臨床応用)問題:60問

合計で240問になります

▸ 合格基準(ボーダーライン)

必修問題では80%以上(40問以上)の正答が必須です。50問中10問までの誤答しか許されません

一般・状況設定問題では正答率60〜67%(おおむね152〜167点程度)が求められ、年によって変動します

近年は必修での80%クリアと合わせて高めの総合ボーダーが採られており、応用力が問われる傾向が強まっています。

▸ 出題科目(看護の領域別)

厚生労働省の出題基準(ブループリント)に基づき、以下の11領域から網羅的に出題されます:

人体の構造と機能

疾病の成り立ちと回復の促進

健康支援と社会保障制度

基礎看護学

地域・在宅看護論

成人看護学

老年看護学

小児看護学

母性看護学

精神看護学

看護の統合と実践

いずれも臨床実習での実体験と深く関連した内容となっており、単なる知識だけでなく実践的判断力が必要です。

▸ 試験の難易度と傾向

合格率は例年 全体で約90%前後。2025年の第114回は 90.1%、新卒者に限ると 95.9%でした

ただし 既卒者の合格率は30%台にとどまる年もあり、差が非常に大きいです/p>

必修問題の正答率が非常に重視され、応用問題である「状況設定」への対策が合否を左右します

7.合格後の流れと研修

合格発表後、厚生労働省のWebページに 受験番号・受験地名が掲載されます

合格通知とともに 免許申請手続き案内 が届きます。

免許登録手数料・登録免許税の納付 の後、正式に 看護師免許証が交付されます。

免許取得後、病院・診療所・介護施設・保健所などさまざまな医療・福祉分野で活躍可能です。

義務的な研修は規定されていませんが、 継続教育(CE)や専門研修 を通じてキャリアアップを図ることが一般的です。

8.資格取得のメリット

看護師国家試験に合格し免許を取得することで、法的に看護業務を行える専門職として認められます。

合格率が高く、学校でのカリキュラムにしっかり取り組めば高い確率で合格可能です。ただし必修80%、応用力に対応する演習が重要です。

活躍の場は病院・保健所・訪問看護・教育・企業保健など多岐にわたり、生涯にわたり活用できる資格です。

社会的信頼が高く、安定した収入とキャリア形成が可能な職種とされています。

9.まとめ

看護師国家試験は、看護師として法的に認められるために不可欠な国家資格試験です。例年2月中旬の日曜日に全国一斉に実施され、240問を5時間以内で解く構成。必修50問・一般130問・状況設定60問という構成で、必修は80%以上、総合で60〜67%程度の正答率が求められます。合格率は高いながら、特に既卒者には難易度が高く、安定的な学習と応用力の養成が重要です。

合格後は免許申請を経て正看護師として登録され、多様な医療・福祉現場で活躍可能です。継続教育によって専門性を高めるキャリアパスも豊富です。

10.ホームページ

厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/shikaishi/