登録販売者試験
1.登録販売者とは(試験概要)
登録販売者は、薬剤師が不在でもドラッグストア等で第二類・第三類一般用医薬品を販売できる専門資格です。資格取得には、厚生労働省のガイドラインに基づいて各都道府県が実施する登録販売者試験に合格する必要があります。
登録販売者は、企業や地域社会で薬に関する相談窓口を担う重要な役割を果たす、高い専門性と信頼性が求められる公的資格です。
登録販売者試験は、各都道府県により実施されます。以下の情報は、一般的な事項について記していますので、詳細については各都道府県のホームページの情報を参照してください。
2.受験資格
登録販売者試験には学歴・職歴・年齢等の制限がなく、誰でも受験できるようになっています。これは2015年の制度改正によって、従来の学歴・実務経験要件が撤廃されたためです(現在は高校生や主婦、会社員など、誰でも受けられる資格です)。
3.試験日程(例年のスケジュール)
試験は年1回、例年8月下旬~12月中旬の間に、全国47都道府県を10のブロックに分けて実施されます(同一ブロック内では同日に開催)
各都道府県・ブロックごとに試験日が異なり、申込み期間は試験日の約2~3か月前が目安です。
合格発表も各都道府県で異なり、通常は試験実施後約1か月後に発表されます。
4.試験地
試験地は受験する都道府県または同じブロック内の他県で受けられます。ブロックを異にする県での受験も可能で、自由に選択できます。会場は各都道府県の指定する大学や公共施設などで、受験票に記載された場所で受験します。
5.受験手数料
15,000円前後(13,000~18,000円) 都道府県により異なります。
6.試験内容(東京都の場合:都道府県により異なります)
試験はマークシート方式で実施されます。
試験項目及び問題数は次のとおりです。
医薬品に共通する特性と基本的な知識:20問
人体の働きと医薬品:20問
薬事に関する法規と制度:20問
主な医薬品とその作用:40問
医薬品の適正使用と安全対策:20問
合計問題数:120問
● 出題範囲(各分野の概要)
医薬品に共通する特性と基本的な知識:医薬品の分類・作用機序・副作用等の基礎知識を対象とする項目。
人体の働きと医薬品:人体の構造と機能、及び薬が人体にどのように作用するかという観点が含まれます。
薬事に関する法規と制度:薬機法等の関連法規、医薬品販売の制度など、登録販売者として知っておくべき法制度を扱います。
主な医薬品とその作用:一般用医薬品(第2類・第3類等)を中心に、どのような作用・使用・注意があるかを問う分野。
医薬品の適正使用と安全対策:使用上の安全性、副作用の予防、添付文書の読解、相談対応等、実務に直結する内容を含みます。
● 合格基準
配点は「各問1点」です。
合格となるための基準は次の2条件いずれも満たす必要があります。
総出題数(120問)に対する正答率が7割以上(84問以上)であること
各試験項目ごとの出題数に対し、正答率が3割5分以上であること(各項目において35%以上の得点が必要条件)
7.合格後の流れと研修
合格後は各都道府県に登録申請し、「登録販売者」として公式に登録されます。なお、調剤業務や薬剤師業務を行うことはできません。
試験合格だけでは不十分で、一般用医薬品取扱業務に関する実務経験(例:ドラッグストア勤務など)が必要となる場合があり、実務従事証明書の提出が求められる都道府県もあります。
登録後、免許の更新義務はなく、期間制限もありませんが、販売実務を通じて安全管理や情報発信業務が期待されます。
8.資格取得のメリット
法的に第二類・第三類一般用医薬品の販売が可能な唯一の資格です。薬剤師がいない店舗でも薬の販売を担える点で、企業からの需要が高い資格です。
全国どこでも受験可能かつ受験資格なし。独学や講座を活用することで挑戦しやすく、合格率は全国平均で40~50%前後と比較的取得しやすい資格です
ブロックや都道府県によって合格率の差はあるものの、しっかり学習すれば十分合格を目指せる試験であり、就職や転職、昇進への武器として有効です。
9.まとめ
登録販売者試験は、誰でも受験可能な専門資格で、毎年8月下旬から12月中旬にかけて全国の都道府県で実施されます。試験内容は120問の択一式で、5分野から出題されます。
合格後には実務経験の確認や登録手続きを経て正式に活動でき、薬の安全な販売や相談窓口として、医薬品を扱う現場で広く活躍することができます。
10.ホームページ
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