資格の王様

64登録販売者試験

1.登録販売者とは(試験概要)

登録販売者は、薬剤師が不在でもドラッグストア等で第二類・第三類一般用医薬品を販売できる専門資格です。資格取得には、厚生労働省のガイドラインに基づいて各都道府県が実施する登録販売者試験に合格する必要があります。

国家資格ではありませんが、企業や地域社会で薬に関する相談窓口を担う重要な役割を果たすため、高い専門性と信頼性が求められます。

2.受験資格

登録販売者試験には学歴・職歴・年齢等の制限がなく、誰でも受験できるようになっています。これは2015年の制度改正によって、従来の学歴・実務経験要件が撤廃されたためです(現在は高校生や主婦、会社員など、誰でも受けられる資格です)

3.試験日程(例年のスケジュール)

試験は年1回、例年8月下旬~12月中旬の間に、全国47都道府県を10のブロックに分けて実施されます(同一ブロック内では同日に開催)

各都道府県・ブロックごとに試験日が異なり、申込み期間は試験日の約2~3ヵ月前が目安です。

合格発表も各都道府県で異なり、通常は試験実施後約1ヶ月後に発表されます。

4.試験地

試験地は受験する都道府県または同じブロック内の他県で受けられます。ブロックを異にする県での受験も可能で、自由に選択できます。会場は各都道府県の指定する大学や公共施設などで、受験票に記載された場所で受験します。

5.受験手数料

5,400円

6.試験内容(詳細)

▸ 出題構成と試験時間

試験は4時間(240分)、択一式のマークシート方式120問です

各分野に配分された問題数と時間配分は以下のとおりです(都道府県共通フォーマット) :

試験項目問題数時間配分
医薬品に共通する特性と基本的な知識20問40分
人体の働きと医薬品20問40分
主な医薬品とその作用40問80分
薬事に関する法規と制度20問40分
医薬品の適正使用と安全対策20問40分
合計120問240分

▸ 出題範囲の内容(各分野の概要)

医薬品に共通する特性と基本的な知識:医薬品の分類・作用機序・副作用、薬害の歴史、適切な医薬品選択や受診勧奨など。

人体の働きと医薬品:人体構造と機能、薬が作用する仕組み、副作用など。

主な医薬品とその作用:精神神経用薬、呼吸器系、胃腸、循環器、皮膚用、眼科用、漢方・漢方薬、禁煙補助剤、公衆衛生用薬など幅広く出題されます。

薬事に関する法規と制度:薬機法、医薬品販売の許可、分類、薬局や店舗の法的義務など。

医薬品の適正使用と安全対策:副作用防止、添付文書の読み方、医薬品被害救済制度、啓発活動などに関する知識。

各分野の詳細は厚労省の「試験問題作成の手引き」に基づき、都道府県ごとに出題されます

▸ 合格基準

総得点で70%以上(120問中84点以上)が基本的な合格ラインです

さらに、各科目ごとに35~40%以上(問題数に応じて相応の正答率)が必要な科目別足切りがあります

これら両方の条件を満たすことで、最終的に合格となります。

7.合格後の流れと研修

合格後は各都道府県に登録申請し、「登録販売者」として公式に登録されます。なお、調剤業務や薬剤師業務を行うことはできません。

試験合格だけでは不十分で、一般用医薬品取扱業務に関する実務経験(例:ドラッグストア勤務など)が必要となる場合があり、実務従事証明書の提出が求められる都道府県もあります

登録後、免許の更新義務はなく、期間制限もありませんが、販売実務を通じて安全管理や情報発信業務が期待されます。

8.資格取得のメリット

法的に第二類・第三類一般用医薬品の販売が可能な唯一の資格です。薬剤師がいない店舗でも薬の販売を担える点で、企業からの需要が高い資格です。

全国どこでも受験可能かつ受験資格なし。独学や講座を活用することで挑戦しやすく、合格率は全国平均で40~50%前後と比較的取得しやすい資格です

ブロックや都道府県によって合格率の差はあるものの、しっかり学習すれば十分合格を目指せる試験であり、就職や転職、昇進への武器として有効です。

9.まとめ

登録販売者試験は、誰でも受験可能な専門資格で、毎年8月下旬から12月中旬にかけて全国の都道府県で実施されます。試験内容は120問・4時間の択一式で、5分野から出題されます。

合格基準は総合得点70%以上かつ各科目35~40%以上。合格率は全国平均で約40〜50%と、挑戦しがいのある資格ですが、十分に勉強すれば合格可能です。

合格後には実務経験の確認や登録手続きを経て正式に活動でき、薬の安全な販売や相談窓口として、医薬品を扱う現場で広く活躍できます。

10.ホームページ

各都道府県へお問い合わせください