資格の王様

74サービス接遇検定

1.サービス接遇検定とは

サービス接遇検定は、サービス業において求められる「おもてなしの心」や接客スキル、コミュニケーション能力を評価・育成することを目的とした民間資格です。提供されるサービスが顧客に満足をもたらすか否かが重視される現代において、スタッフの心構えやマナー、対人心理への理解、言葉遣い、態度や振る舞いが適切かどうかを体系的に評価するものです。

受験は、学生や社会人、業界未経験者を問わず、誰でもどの級からでもチャレンジできる開かれた検定制度です。

2.受験資格

サービス接遇検定には、年齢・学歴・職歴・国籍などに関する制限は一切なく、誰でも受験可能です。つまり、自分の関心やキャリアプランに応じて、どの級からでも挑戦できる点が特徴です。

3.試験日程(例年のスケジュール)

通常、筆記試験の実施は年2回(6月および11月)に行われます。

また、準1級や1級の面接試験は、筆記試験の後、夏期(7~9月)および冬期(12月〜翌年1月または2月)に別途設定されるのが通例です。

最新情報(例:第65回試験)は2025年11月9日(日)に実施予定であることが公式で案内されています。

4.試験地

筆記試験(3級・2級・1級)は、全国の主要都市で実施されます。具体的には、北海道(札幌)、東北(仙台など)、関東(東京、横浜)、信越・北陸(新潟、富山、金沢、福井)や中部(静岡、名古屋)、関西(大阪、神戸、和歌山)、中国・四国(倉敷、広島、松山)、九州・沖縄(福岡、熊本、那覇)など、多数の会場が用意されています。

準1級・1級の面接試験については、札幌、東京、名古屋、大阪、広島、福岡など、一部地域に限定される場合があります。

5.受験料(税込)

1級 7,800円

準1級 5,900円

2級 5,200円

3級 3,800円

6.試験内容(詳細)

サービス接遇検定は「3級」「2級」「準1級」「1級」の4レベルに分かれ、それぞれ求められるスキルや試験形式が異なります。

3級

試験形式:筆記のみ(選択式および記述式)。面接はありません

出題領域:

サービススタッフの資質

専門知識

一般知識(社会常識)

対人技能(言葉遣い・態度など)

実務技能(問題処理、環境整備、金品管理、社交業務など)

試験時間:100分程度

合格基準:筆記試験では「理論」と「実技」共に60%以上が目安です

合格率:3級は比較的高く、過去は75〜76%前後です

2級

試験形式:筆記のみで、選択式(マークシート)+記述式あり

出題領域(3級と同様の5分野をより深く問う):スタッフ資質、専門・一般知識、対人技能、実務技能など

試験時間:110分

合格基準:理論・実技共に60%以上が目安

合格率:50〜80%程度(回によって変動)

株式会社アガルート

準1級

試験形式:面接(ロールプレイング)方式のみ。筆記試験はありません

内容:基本言動や接客応答のシーンを模したロールプレイング。パネル提示や模擬販売などが含まれます。

合格率:準1級は比較的高く、80%以上の回もあります

1級

試験形式:筆記試験+面接(ロールプレイング)両方あり

内容:筆記では2級より高度な知識、面接では模擬電話セールスや模擬販売対面など、対人力や魅力を総合評価

合格率:難易度が高く、合格率は40〜45%程度です

CBT(コンピュータ)試験方式(2級・3級のみ)

形式:全国350以上のテストセンターで随時受験可能。年3回に限定されず、好きな日時にCBT試験を予約できる柔軟な形式です。合否は即時判定されます。

出題数・時間:

2級:多肢選択式21問+記述式3問=計24問、試験時間約80分

3級も同様に24問構成で70分程度

まとめると、級ごとに試験形式や難易度、問われるスキルが異なり、階段を上るように徐々に高度な対人能力が求められていく設計となっているのが大きな特徴です。

7.合格後の流れと研修

合格者には合格証が交付され、公的な資格として取得できます。就職や研修、社内評価などに利用されることが多く、旅行・ホテル・航空・医療・金融などの業界での評価が高い資格です。

また、継続的なサービススキル向上のために、内部研修や接遇トレーニングに活用されることも一般的です。資格自体に必須のリカレント研修制度はありませんが、教育現場や職場での活用が期待されています。

8.資格取得のメリット

誰でも受験可能で学習の門戸が広い:初学者にも開かれており、社会人・学生問わず挑戦しやすい資格です。

実践的な接遇力が身につく:理論だけでなく、対人対応や接客スキルを総合的に評価するため、実務に直結した能力向上が期待できます。

キャリアや就職活動での強みになる:サービス業を中心に、履歴書や職場でのスキル証明として活かせます。

段階的にスキルアップできる:3級から始めて順にステップアップできる構成で、自身の成長を目に見える形で積み上げやすいです。

CBT受験による柔軟な対応:2級・3級はいつでも好きなタイミングで受験可能で、早期再受験にも対応

9.まとめ

サービス接遇検定は、サービス業・接客業における「おもてなしの心」とスキルを総合的に評価する資格です。級ごとに求められるレベルが明確に設定されており、誰でも受験できる開かれた制度であることが特徴です。試験は筆記や面接、CBT方式など多様な形式があり、それぞれが段階的なステップアップを促します。合格後には実務やキャリア形成に直結した評価が得られ、業界によっては非常に有用な資格とされています。特に、人と接する機会が多いサービス職や将来的に接遇スキルを活かしたい方には、意義ある検定といえるでしょう。

10.ホームページ

公益財団法人 実務技能検定協会

https://jitsumu-ginou-kentei.jp/SV/