資格の王様

92電気工事施工管理技士

1.電気工事施工管理技士とは

電気工事施工管理技士(1級・2級)は、建設業法に基づき設けられた国家試験で、電気工事現場における施工管理を行う技術者を認定する資格です。

1級と2級の区分があり、それぞれ業務上の責任範囲や配置が異なります。

1級電気工事施工管理技士は、特定建設業の営業所に配置される「専任の技術者」または工事現場における「監理技術者」として認められます。

2級電気工事施工管理技士は、一般建設業において設置が義務付けられる「専任の技術者」や「主任技術者」として現場管理が可能となります。

また、2021年度より、「1級技士補」の称号が創設され、第一次検定の合格者に付与されるようになりました。技士補は、適切な条件下で監理技術者を補佐する役割を担うことができます。

2.受験資格

受験の敷居が比較的低く設定されている点が特徴です。

第一次検定(筆記試験)

1級:19歳以上であれば誰でも受験可能

2級:17歳以上であれば誰でも受験可能

第二次検定(実務経験など)

第二次に進むためには、一定の実務経験が必要です。ただし、2024年改正により受験資格の緩和が行われました。具体的には、学歴問わず実務経験年数が一律(1~5年)に見直され、以前より受験しやすくなりました

なお、第一次検定のみ合格すると「技士補」として認められ、第一次検定が無期限で免除される制度も導入されており、第二次検定からの受験が可能になります。

3.試験日程(例年のスケジュール)

電気工事施工管理技士の試験は 年1回実施されており、前期・後期に分かれて実施される方式が一般的です。

1級のスケジュール(例)

前期(第一次検定のみ)

申込受付開始:2月7日〜

締切:2月28日頃

試験日:7月9日ごろ

合格発表:—

後期(第一次検定・第二次検定/各単独の受験)

申込書発売:6月25日〜

締切:7月23日まで

第一次検定日:12月22日頃

第二次検定日:翌年2月6日頃

2級のスケジュール(例)

前期

第一次検定のみ実施、試験は6月初旬(例:6月8日)

合格発表:7月上旬(例:7月9日)

後期

第一次検定:11月9日(例)

合格発表:12月22日(第一次)、翌2月6日(第二次)

4.試験地

詳細な試験会場は示されていませんが、全国主要都市での実施が一般的です。2級の例では、札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄(前期)、後期はさらに青森・金沢・鹿児島も追加されていることが知られています

5.受検手数料

1級 一次・二次ともに15,800円

2級 一次・二次ともに7,900円

6.試験内容(詳細)

検定制度の全体構成

第一次検定:主に 択一式マークシート方式。施工管理に必要な知識(技術、法規、管理など)を幅広く問います

第二次検定:主に 記述式で、実務的な施工管理能力や判断力が求められます。第一次検定と第二次検定の両方に合格して、初めて施工管理技士として認定されます

合格基準・合格率

第一次検定:正答率 約60%が合格ラインとされており、全体の合格率も50~60%程度と比較的高めです。

1級全体の合格率:第一次と第二次を含めて40~60%程度と幅があります。

出題傾向と対策のポイント

試験分野は技術的基礎から施工管理法や関連法規まで幅広いため、幅広い知識と実践への応用力が必要です

過去問題を通じた傾向把握と、参考書・講座による体系的な学習が有効です

7.合格後の流れと研修

第一次検定を合格した場合、「技士補」の称号が得られ、合格の証書となる資格証を受け取ることができます。また、第一次免除制度により、次回以降の第一次検定は免除され、第二次検定からの受験で進めます。

第二次検定に合格し、両検定を通過すれば、建設業許可や現場配置に必要な主任技術者(2級)または監理技術者(1級)として法的に認められます。

更新制度や研修制度については明示されていませんが、監理技術者講習などの要件が加味される場合もあります。詳細は国土交通省や関係窓口で確認する必要があります。

8.資格取得のメリット

施工管理技士は建設業において強力な武器になります。

法的な配置義務を満たせる:資格取得により、営業所や現場に「専任技術者」や「監理技術者」として配置可能となり、建設業許可取得に不可欠です。

企業評価(経営事項審査)において高評価:1級取得者は技術者1名あたり5点、技士補は4点の加点対象であり、公共工事入札時の評価に直結します。

キャリアアップと責任範囲の拡大:2級から1級へとステップアップすることで、より大規模な案件・責任者として仕事が可能になります。

第一次検定の永続的免除制度等による利便性:免除制度により、長期的な計画で資格を取得する戦略が立てやすくなっています。

9.まとめ

電気工事施工管理技士は、電気工事分野における施工管理の国家資格であり、現場管理や営業所運営において不可欠な存在です。1級は監理技術者、2級は主任技術者として法的に認められるため、特に工事業に従事する方には取得価値が高いです。

試験は、年1回(前期・後期)の形で実施され、第一次検定(択一式)と第二次検定(記述式)をクリアしなければなりません。第一次検定は受験資格が低く、正答率60%が合格目安であり、学習計画を立てて対策すれば十分に合格可能です。

合格後には「技士補」取得や監理技術者配置が可能となり、企業評価や受注競争力に直結するメリットもあるため、キャリアを築く上で非常に有効な選択肢となります。

10.ホームページ

一般財団法人 建設業振興基金

https://www.fcip-shiken.jp/den1/