資格の王様

95危険物取扱者試験

1.危険物取扱者試験とは

危険物取扱者試験は、消防法に基づき、危険物の貯蔵・取扱い施設で業務を行う際に必要な国家資格を認定する試験です。業務に関与する者は、この資格を持つ者の立ち会いが法的に義務づけられています。

資格には以下の3種類があり、扱える危険物と業務範囲に応じて区分されています:

甲種:すべての種類の危険物を取り扱うことが可能です。

乙種:第1類から第6類までのカテゴリ別に分かれており、各々が取り扱える危険物を限定的に定められています。

丙種:乙種第4類のうち指定された危険物(ガソリン、灯油、軽油など)に限り取扱作業が可能です。

2.受験資格

種類受験資格
乙種・丙種誰でも受験可能(学歴・経験・性別問わず)
甲種以下のいずれかが必要:
① 大学などで「化学に関する学科等」を修了して卒業した者
② 大学等で「化学授業科目を15単位以上」修得した者
③ 乙種免状取得後、2年以上実務経験がある者
④ 乙種4カテゴリ以上の免状を所有している者

詳しい証明書類や条件の形式は、受験願書や公式「資格取得をお考えの方」ページで確認可能です。

3.試験日程(例年スケジュール)

試験は年2回、前期(4月~9月)と後期(10月~3月)に分けて実施されます。

申込方法:書面申請(願書提出)または電子申請(インターネット)いずれも可能です。

受験地:中央試験センター(東京)または全国の道府県支部で実施され、全国どこでも受験可能です。

4.試験地

実施会場は 全国の各都道府県支部 または 東京都中央試験センター です。

受験地の選択や受付状況の確認は公式試験日程一覧から可能です。

5.試験手数料

甲種 7,200円

乙種 5,300円

丙種 4,200円

6.試験内容(詳細)

試験形式

全種共通で 筆記試験のみ。実技はありません。

甲種・乙種:五肢択一式

丙種:四肢択一式

試験時間は以下の通り:

甲種:2時間30分

乙種:2時間

丙種:1時間15分

試験科目・問題数

甲種:合計45問(法令15問、物理学および化学10問、危険物の性質・火災予防・消火方法20問)

乙種:合計35問(法令15問、基礎的な物理化学10問、性質等10問)

丙種:合計25問(法令10問、燃焼及び消火基礎知識5問、性質等10問)

合格基準

各科目ごとに60%以上の得点が必要です。免除がある場合は対象科目を除く形で判定されます。

7.合格後の流れと研修

合格発表:支部ごとに受験番号で掲示され、併せて合否結果通知書が郵送されます。

免状の交付:合格後に免状交付申請を行い、資格免状が交付されます。

保安講習受講義務:資格取得後、新たに危険物取扱作業に従事する者は、1年以内に保安講習を受講する必要があります。

8.資格取得のメリット

法律に基づく作業の遂行:資格取得により、危険物を使った業務を行える法的根拠が得られます。乙種第4類は特に石油類の業務で需要が高いです。

甲種取得の高い業務対応:甲種取得により、すべての危険物を扱えるようになるため、業務の幅が大幅に拡大します。

免除制度が負担軽減に:乙種や丙種の一部免除対象者は、受験科目の軽減が受けられ、試験負荷が軽減されます。

キャリア的信頼性の向上:化学系や工業系の職種・分野で専門的な資格として評価されやすいです。

9.まとめ

危険物取扱者試験は、日本の火災防護・安全管理の基本を支える重要な国家資格です。以下のような構造とメリットがあります:

3区分(甲・乙・丙)があり、対応業務と取り扱える危険物の範囲が構造的に整理されています。

乙種・丙種は誰でも受験可能;甲種のみ受験資格要件あり(化学教育履歴や実務経験など)。

年2回の試験実施で、全国どこでも受験が可能。申込方法は書面・電子どちらも対応。

筆記形式のみの試験で、マークシート方式。科目ごと60%以上をクリアすれば合格。

免状交付後は保安講習が要件となる場合もあり、継続的な安全教育体制の一環として位置づけられています。

取得により法対応業務が可能になり、専門性やキャリアの幅が大きく広がる資格です。

10.ホームページ

一般財団法人消防試験研究センター

https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/