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日本語教育能力検定試験

1.日本語教育能力検定試験とは

日本語教育能力検定試験は、公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)が実施する、日本語を教えるために必要な基礎的知識と応用力が備わっているかを検定する民間試験です。日本語教育の実践につながる体系的知識や、状況に応じた知識を関連づけ、多様な教育現場に対応する能力が基礎的な水準に達しているかどうかを判定することが目的です。

試験は年1回行われ、試験区分は「試験I」「試験II」「試験III」の3部構成で、それぞれ異なる形式・時間配分で合計数時間にわたる試験です。

本試験は国家資格としての登録日本語教員のための試験ではありませんが、日本語教育に関心を持つ人々に広く活用されています。

2.受験資格

年齢・学歴などの受験資格に関する制限はありません。日本語教育に関わる基礎的知識と能力を客観的に測る場として広く開かれています。

3.試験日程(例年のスケジュール)

出願期間:7月中

試験日:10月第4週の日曜日

合否通知発送:12月中旬~下旬

4.試験地

北海道、東北(宮城)、関東(東京)、中部(愛知)、近畿(大阪)、中国(岡山)、九州(福岡)の各地区に会場が設けられます。

5.受験料(税込)

17,000円

6.試験内容(詳細)

本試験は「試験I」「試験II」「試験III」の3部構成からなり、それぞれ役割と形式が異なりますが、いずれも日本語教育に関する知識・能力の測定を目的に設計されています

● 試験I(基礎的知識の筆記・マークシート形式)

解答時間:90分

配点:100点

内容:「日本語教育の実践につながる基礎的な知識」の測定。出題範囲の区分ごとに幅広く出題。音声を媒体とした設問も含む。

● 試験II(短時間・音声形式)

解答時間:30分

配点:40点

内容:音声を聴いて理解する力など、「基礎的な知識」および「音声媒体を介した理解能力」を測定

● 試験III(応用的問題解決力・記述含む)

解答時間:120分

配点:100点

内容:出題範囲を横断した設問によって、熟練した日本語教師が持ち得る「現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力」を測定。

7.合格後の流れと研修

本試験はあくまでも民間の検定試験であり、合格しても国家資格や登録日本語教員資格が自動で与えられるものではありません。

合格後の公的な採用や研修は直接関連しておらず、自主的なキャリア形成や教材選び、学習目標などに活用されることが多いです。

ただし、現在検討中・制度化予定の「登録日本語教員(国家資格)」制度の筆記試験には、本試験と出題範囲が類似している可能性があり、対策として有効であるという評価もあります。

JEESからは、合格証明書の発行サービス(オンライン申請)も提供されており、有料で取得できます。

8.取得のメリット

本試験合格のメリットを整理すると以下の通りです:

教育現場での評価材料

日本語教育に関する知識と応用力を客観的に示すことができ、履歴書や指導現場での信頼獲得に役立つ。

学習目標の明確化

出題範囲が体系的かつ広範であるため、自学や対策学習の指針として有用。

日本語教育への理解深化

理論や教授法、教材・評価等を包括的に学べる機会となり、日本語教育に関わる基盤づくりにつながる。

9.まとめ

日本語教育能力検定試験は、JEESによって年1回実施される、日本語教育の基本的な知識や応用力を測る民間の検定試験です。出願は7月、試験は10月、合否通知は12月という例年のスケジュールで進行し、誰でも受験可能です。試験は3部構成(試験I〜III)で、筆記・音声・記述の多面的な評価を通じて実践力を測ります。