歯科衛生士国家試験
1.歯科衛生士国家試験とは
歯科衛生士国家試験は、厚生労働省が定める国家資格「歯科衛生士」を取得するための必須試験です。歯科衛生士として働くには、文部科学大臣指定の養成機関(専門学校、短期大学、大学など)を修了し、国家試験に合格して免許登録を行う必要があります。口腔内の清掃や歯科保健指導、診療補助など専門的な業務を法的に行う資格の登竜門です。
2.受験資格
受験者は以下のいずれかに該当する者です:
高校卒業後、文部科学大臣指定の歯科衛生士学校・養成所(3年制〜4年制)を卒業または修了見込みの者。年齢・性別の制限はありません。
外国の歯科衛生士養成機関を修了し、厚生労働大臣が日本の指定機関卒業者と同等以上と認めた者でも受験資格を得ることが可能です。
3.試験日程(例年のスケジュール)
試験日:3月上旬
合格発表:3月下旬
4.試験地
北海道・宮城県・東京都・新潟県・愛知県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県で実施されます。
5.受験手数料
14,300円
6.試験内容(詳細)
問題数: 220問
出題形式:「4肢択1問題」「4肢択2問題」のいずれかで出題されます。
状況設定問題:臨床に関する知識・技能を有しているかを、より適切に評価する目的で出題される状況設定問題が一定数出題されます。
出題科目:以下の9科目で構成されます。
人体(歯・口腔を除く)の構造と機能
歯・口腔の構造と機能
疾病の成り立ち及び回復過程の促進
歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み
歯科衛生士概論
臨床歯科医学
歯科予防処置論
歯科保健指導論
歯科診療補助論
7.合格後の流れ
合格後、一般財団法人歯科医療振興財団または厚生労働省のWebに受験番号と受験地が掲載されます。さらに合格通知が学校や個人に送付されます
その後、歯科衛生士名簿への登録手続きを行うことで、厚生労働大臣より正式に歯科衛生士免許証が交付されます
8.資格取得のメリット
歯科衛生士として法的な業務遂行が可能になり、歯科診療所・病院・保険指導機関などで専門職として働けます。
合格率が非常に高く(90%超)、就職に有利:医療業界全体で歯科衛生士の需要が高く、求人倍率も高水準で安定した職種です。
予防処置や保健指導、診療補助など、口腔保健分野の専門性と社会貢献性が高く評価されます。活躍の場は歯科医院に限らず、公共・教育・介護分野など幅広く拡大しています。
9.まとめ
歯科衛生士国家試験は、歯科衛生士として法的に認定されるための重要な国家試験であり、専門養成機関を修了した者だけが受験できる狭き門ながら、合格率は90%以上という高い水準が特徴です。試験は年1回、3月に全国10都道府県で実施され、合計220問を解答します。科目は9領域にわたり、臨床的視点や制度知識まで含んだ幅広い内容が問われ、応用力と実践力が重視されます。
合格後には免許申請を経て正式に歯科衛生士となり、医療現場や保健指導、介護支援など多彩な職場で活躍が期待されます。継続学習や専門分野への研修によって、生涯にわたってスキルを高めるキャリアパスがあります。











