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歯科技工士国家試験

1.歯科技工士国家試験とは(試験概要)

歯科技工士国家試験は、歯科技工士法に基づき、厚生労働省指定の試験機関である一般財団法人歯科医療振興財団が毎年実施する国家資格試験です。合格者は歯科技工士としての免許を厚生労働大臣より交付され、歯科医療の補助的立場から技術職として医療現場で活躍することが法的に認められます

2.受験資格

以下いずれかの条件を満たす者が受験できます:

文部科学大臣指定の歯科技工士学校を卒業、または試験実施年の3月14日までに卒業見込みの者

都道府県知事指定の養成所を卒業、または卒業見込みの者

歯科医師国家試験またはその予備試験を受験できる者

外国の歯科技工士学校等を修了し、厚労大臣により国内同等と認められた者

3.試験日程(例年のスケジュール)

受験書類受付:12月上旬

試験日:2月中旬

合格発表:3月下旬

4.試験地

試験は全国5都道府県(北海道・宮城県・東京都・大阪府・福岡県)で実施されます。会場は大学の施設や専門学校等が用いられます。

5.受験手数料

30,000円

6.試験内容(詳細)

歯科技工士国家試験は、「学説試験(学科)」と「実地試験(実技)」の二部構成で実施されます。いずれの試験も、歯科技工士として必要な知識および技能を評価することを目的としています。

筆記試験80問、実地試験3問の合計83問が出題されます。

筆記試験については「4肢択1問題」で出題されます。

実地試験問題は、実際の歯科医療現場において、歯科技工指示書に基づき適切に歯科技工を実施できるか評価するため、臨床的に頻度の高い内容について出題されます。

筆記試験

筆記試験では、歯科技工に関する基礎的・専門的知識を問う筆記試験が行われます。

出題科目は以下のとおり、厚生労働省により定められています。

歯科理工学

歯の解剖学

顎口腔機能学

有床義歯技工学

歯冠修復技工学

矯正歯科技工学

小児歯科技工学

関係法規

合格基準は、厚生労働省が毎年度の実施結果に基づいて定め、公表されています。

第10回(令和6年度実施)試験では、学説試験の満点80点に対して48点以上が合格基準とされました。

また、「基礎科目群」および「専門科目群」それぞれにおいて満点の30%未満の場合は不合格とされています。

実地試験(実技)

実地試験では、歯科技工に必要な技能を評価する実技試験が行われます。

7.合格後の流れと研修

合格発表後、財団および厚労省サイトに受験地別の受験番号が掲示されます。後日、合格通知書が発送され、免許申請手続きの案内が届きます。

免許申請には、登録免許税や手数料の納付が必要ですが、その後歯科技工士名簿へ登録されることで正式に「歯科技工士免許証」が交付され、資格が有効となります。

免許の更新義務はなく、一度取得すれば生涯有効です。ただし、2年ごとに業務従事状況の届出が義務づけられています。

8.資格取得のメリット

法的に歯科技工物の製作・提供が可能となる国家資格で、高度な専門職としての信頼性が得られます。

合格率は毎年90%以上(例:令和5年度は95.7%)と非常に高く、養成校の課程を確実に修了することで高い合格可能性があります。

歯科医院、歯科技工所、研究機関、教育機関など、活躍の場が多岐にわたっており、独立開業の道も開けています。

9.まとめ

歯科技工士国家試験は理論と技術を両方評価する国家資格試験であり、専門養成機関修了後に年1回実施されます。試験日は毎年2月中旬の日曜日、全国5都道府県で開催され、筆記試験と実技試験の両方をクリアする必要があります。