資格の王様SHIKAKU KING 100

社会福祉士国家試験

1.社会福祉士国家試験とは

社会福祉士国家試験は、厚生労働大臣の指定を受けた公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが実施する、国家資格「社会福祉士」を取得するための唯一の筆記試験です。試験に合格し、所定の登録を受けることによって、社会福祉士としての資格取得が可能となります。社会福祉士は、高齢者・障害者・児童など、支障を抱える人々に対して、相談・援助・調整などを行う専門職です

試験は筆記形式のみで実施され、1日で午前・午後に分けて行われます。受験資格には様々なルート(大学・養成施設・実務経験など)があり、合格後は国家資格として登録され、専門的支援を担える専門職として社会に貢献できます。

2.受験資格

受験資格には、以下のような複数のルートがあります

4年制大学で指定科目を修めて卒業(または見込み)した方

2年制または3年制短期大学等で指定科目を修めて卒業し、かつ指定施設で2年以上(または1年以上)の相談援助業務の実務経験がある方

社会福祉士短期養成施設(6月以上)を修了した方

社会福祉士一般養成施設(1年以上)を修了した方

その他にも「相談援助の実務経験」によるルートや、福祉主事養成機関など、複雑なルートがありますが、詳細はホームページの資格取得ルート図などで確認できます。

3.試験日程(例年のスケジュール)

受験申込受付期間:9月~10月上旬

試験日:2月上旬

※ インターネット受付可

受験の手引:郵送請求により取得(受付開始は例年8月上旬)

このスケジュールは例年ほぼ同様に設定されており、秋に申込・冬に試験・春に合否通知という流れが定着しています。

4.試験地

試験は全国24か所で実施されます。具体的な会場として、都道府県単位では以下の地域で実施されます

北海道、青森県、岩手県、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県。

受験時には、自身の都合に応じて受験希望地を選択して申込できます。

5.受験手数料

19,370円

6.試験内容(詳細)

試験は1日で実施され、午前・午後に分かれています。出題形式は五肢択一を基本とする多肢選択形式とし、出題数は129問、総試験時間数は225分です。出題科目や形式は以下の通りです。

午前

以下の12科目を出題:

医学概論

心理学と心理的支援

社会学と社会システム

社会福祉の原理と政策

社会保障

権利擁護を支える法制度

地域福祉と包括的支援体制

障害者福祉

刑事司法と福祉

ソーシャルワークの基盤と専門職

ソーシャルワークの理論と方法

社会福祉調査の基礎

午後

以下の7科目:

高齢者福祉

児童・家庭福祉

貧困に対する支援

保健医療と福祉

ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)

ソーシャルワークの理論と方法(専門)

福祉サービスの組織と経営

出題基準と合格基準

合格基準:

総得点の約60%以上(難易度補正あり)の点数であること。

以下の6科目群すべてに得点があること(いずれも1点1問の129点満点):

①医学概論、心理学と心理的支援、社会学と社会システム

②社会福祉の原理と政策、社会保障、権利擁護を支える法制度

③地域福祉と包括的支援体制、障害者福祉、刑事司法と福祉

④ソーシャルワークの基盤と専門職、ソーシャルワークの理論と方法、社会福祉調査の基礎

⑤高齢者福祉、児童・家庭福祉、貧困に対する支援、保健医療と福祉

⑥ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)、ソーシャルワークの理論と方法(専門)、福祉サービスの組織と経営

7.合格後の流れ

合格者は必要書類等を試験センターへ提出します。試験センターで受理されると、審査の上、登録証が交付されます。

8.資格取得のメリット

社会福祉士資格取得のメリットを以下に整理します:

国家資格としての信頼性:専門性と倫理を備えた福祉職として社会的評価が高い。

業務の多様性と専門職としての活躍:高齢者支援、障害者支援、児童家庭支援、地域包括支援など、活躍の場が多岐に渡る。

キャリアパス:福祉現場のリーダー、行政福祉政策の企画・立案、相談支援専門職などへ発展可能。

法的・専門的支援の提供:相談援助や福祉サービス提供の業務に従事し、専門家として活躍できる。

学びの体系性:幅広い科目を学ぶことで、福祉に関する基礎から応用まで体系的な理解を得られる。

9.まとめ

社会福祉士国家試験は、福祉に関わる相談援助専門職として活躍するための国家資格試験です。受験資格には大学、養成施設、実務経験など複数のルートがあり、申込は毎年秋、試験は翌年2月に実施されます。試験科目は午前・午後に分かれ、広範な福祉分野が問われます。

合格後には国家資格として登録され、福祉現場や行政、地域での支援の最前線に立つ専門職となります。試験そのものが、高い専門性の証明と、福祉職としてのキャリア基盤となる重要なステップとなります。